蛭ヶ岳南稜

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蛭ヶ岳南稜

最初に蛭ヶ岳南尾根を登ったのは、2010年4月。当時は玄倉林道が全面通行止だったため寄から雨山峠を越えて熊木沢に入り、棚沢ノ頭コースを下った。寄を6:38に出発し19:21に戻った。2回目は2013年5月。やはり寄からの出発だったが、戻りは朝日向尾根のルートを選んだ。寄を6:28に出発し18: 35に戻っている。同じ年に、この逆回りも歩いている。4回目は一人では無く健脚の仲間と4人で2017年12月に行った。玄倉林道が開通していたので、玄倉林道経由で熊木沢出合まで行き、朝日向尾根を下った。玄倉駐車場を4:45に出発し15: 20に戻った。かなりのハイペースだ。今回は、7年ぶりの蛭ヶ岳南尾根となるが、歳を重ね体力の衰えも感じられることからユーシン前泊で計画した。
ユーシンロッジに着くと一人コーヒーを飲んで休憩している登山者が居た。先客かと思い訪ねてみると、蛭ヶ岳南尾根を登り臼ヶ岳から朝日向尾根経由で下り、これから寄まで戻るという。既に17時を回っている。寄に着くのはおそらく20時を過ぎることだろう。11年前に私が歩いたコースと同じだった。
熊木沢出合の河原に降り、アルミの梯子で崩壊した橋に上がり玄倉川を渡る。ユーシンロッジを私たちより先に出たnoriさんたちが河原で待っていた。棚沢ノ頭へのルートを右に分け、暫く左岸を辿る。第一堰堤、第二堰堤を右から越え、第二堰堤を越えたところで右岸に渡る。水が溜まった沼地があり、その横の藪を抜けて熊木沢林道跡に出る。暫く進むと林道が崩落している。法面のコンクリートブロックを登り左から高巻く。林道跡は昔に比べイバラなどの雑木がはびこっている。10分程歩くと、かつての林道の面影が残っている場所を通過する。木に打ち付けてある錆びれた看板には「鳥獣保護区」の文字が読み取れる。更に10分程行くと熊木沢の最後の堰堤が見えて来る。このまま真っ直ぐ進んでも西沢の南尾根取付点まで行けるが、熊木沢最後の堰堤を越えるのに苦労した記憶がある。今回は、左に直角に曲がりそのまま林道跡を辿る。くねくねと曲がりながら道なりに進むと右手に赤く錆びれた軽のバンが見えて来る。7年前、ここは広場の様に開けていたが、今はイバラやクマシデなどの雑木が茂っている。雑木の藪を抜け西沢に降り対岸の南尾根取付点に向かった。
登り始めは落ち葉の積もった急斜面が続く。標高1240m付近で一旦平坦になるが1250mから再び急登が始まる。標高1400m付近から岩がゴロゴロした岩稜に変わり、イバラの木も多くなる。イバラの木を避け落石に気を付けながら登る。標高1600m付近まで登ると木枝の隙間から頂上が見える。残置ロープがあった。もう少しだ。このまま真っ直ぐ登れば山頂だが、イバラの藪漕ぎになる。標高1650mで左にトラバースし檜洞丸に向かう縦走路に出る。南尾根取付から2時間40分で登頂出来た。山頂で手袋を外すと手首の辺りに血が固まっていた。よくみると何箇所もイバラの刺に引っ搔かれた傷があった。
天気予報通り山頂は風が強く、長居をせずに臼ヶ岳に向かう。蛭ヶ岳の下りの西尾根も吹き曝しで風が強い。ここまで誰とも出会わず、やはりこの天候では山に来る人は居ないか・・・と思っていたら、鞍部の手前で二人の登山者とすれ違った。
ミカゲ沢ノ頭の登りも結構キツイい。臼ヶ岳もだらだらと長い登りが続くが、途中、何輪か花を咲かせたシロヤシオの木があり癒された。臼ヶ岳のベンチで休憩し朝日向尾根に向かう。以前は無かった鹿柵が張り巡らされ、どっちの方角に向かえばよいか少々戸惑った。鹿柵を過ぎると雑木の茂ったの急斜面となる。雑木林を抜けると傾斜は少し穏やかになるが、所どころ踏跡が不明瞭なところがあり地図を確認しながら進む。暫く行くと広々とした感じの良い場所に出る。水晶平と云うらしい。ブナの新緑が美しい。コイタドリの頭のピークを越え新緑の尾根道を辿りユーシンロッジに戻る。デポしておいた宿泊装備をザックに詰め込み帰路に就くが、やはり玄倉林道の10kmの道のりが長い。蛭ヶ岳南尾根を登った足には堪える。
 

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